オリンピック東京招致は成功と言って良いのか?

今回の記事はジャンルとしては本来ならスポーツに入れるべきだろうが、あまりにもすんなりと喜べないので、政治マターとして取り上げた。

なにはともあれ、オリンピックの招致活動が成功し、2020年に東京でオリンピックが開催されることになった。
しかし、素直には喜べない気持ちがある。

そもそも、7年後とは言え、ここ近年の日本に世界的なイベントであるオリンピックを招致する資格があるのだろうか?
決して自虐的でなく、世界でも類を見ない大災害が起こってから、2年半しか経過しておらず、その復興も遅々として進まないどころか、進んでいく目処すらたっていない。

私は現在は尼崎に住んでおり、実家は神戸にある。
18年前に阪神大震災を経験し、その後の復興状況を目の当たりに見てきたからこそ、よくわかるのだが、通常は仮設住宅と言うのは、あくまでも仮設である以上は2年程度が耐久限度と聞いている。
その仮設住宅が今も東北のいたるところに点在しているのだ。

この現実を放置したまま、オリンピック開催に浮かれていて良いのだろうか?
東京でのインフラ整備を進めるとなると、福島の公共事業はストップするだろう。
阪神大震災のときも感じたのだが、この日本は東京さえ良ければそれで良い、という風潮がある。
地方に住む人間のひがみ根性と言うなら、未だに仮設住宅が立ち並ぶ現状をどう説明するのか?

しかも、明らかに人災となった原子力発電所放射能問題は全く進展していない。
新たに汚染水問題も出てきてどう処理していくのか誰もわからないと言う。
そんな状態で安部総理は東京招致のために汚染水問題を”アンダーコントロール”と言ったが、現地の声は全く違う。
ウソ、デタラメを言ってオリンピック招致したが、もし、その実態が世界に知れたら、安部総理は悪の権化として歴史に名を残すことになろう。

以前に”トラスト ミー”と言ったルーピーな総理がいたが、あれは米国との二国間の話であり、その罪は軽い。
しかし、今回は世界での公言であり、オリンピック招致と言う目的を持っての妄言である。
下手をすれば、日本人全体を貶めることになる。

原発がばら撒く放射能で元に住んでいた場所に戻れなく避難が続いている現状をどう説明するのか?
原発の映像を見るとまるでゴーストタウンである。

日本政府は福島を見捨てた、と言って過言ではないと思う。
こんなことは許されて良いはずは無い。
まるで、幕末に薩摩・長州の陰謀により、真の官軍である会津を朝敵、国賊として貶め、東北を見捨てた政治が平成のこの世に亡霊となって現れたようだ。

猪瀬東京都知事が他の都市へのネガティブ発言がルール違反とされ、招致活動の足を引っ張ったが、その時点で立候補を辞退すべきであった。
もうすでにとき遅しだが、東京にオリンピック招致をしたことは間違いであったと思う次第です。